創業時に個人事業主は税理士と顧問契約すべき?費用相場とメリット・デメリット

query_builder 2025/12/22
創業時に個人事業主は税理士と顧問契約すべき?費用相場とメリット・デメリット

起業を考えている方や、すでに事業をスタートさせた方の中には「税理士と顧問契約は本当に必要なのか」と迷っている人も多いでしょう。創業期は資金が限られているため、できるだけ支出を抑えたいという気持ちはよく分かります。

しかし、創業期こそ正確な会計管理と税務対策が重要な時期でもあります。この記事では、創業時の顧問契約が本当に必要なのか、そのメリットとデメリットを、具体的に説明していきます。

創業時の税理士顧問契約とは何か

創業時に税理士と顧問契約を結ぶことは、長期的なパートナーシップを築くことです。毎月決まった顧問料を支払う代わりに、税務や会計のサポートを継続的に受けられます。

顧問契約の基本的な仕組み

顧問契約とは、税理士が企業の会計と税務に関する業務を定期的にサポートする契約です。単発の相談ではなく、毎月訪問したり、書類作成のサポートを受けたりするといった継続的な関係になります。

顧問契約の中身としては、毎月の帳簿チェック、記帳代行、試算表の作成、決算書の作成準備、そして税務申告書の作成が含まれます。税理士は企業の取引記録を整理し、どの項目がどの勘定科目に該当するかを判断し、正確な財務諸表を作り上げていきます。

このプロセスの中で、経営状況の数字が明らかになります。売上がどのくらい出ているのか、経費はいくらかかっているのか、利益はどれほど残っているのかが、毎月の試算表で可視化されるわけです。

税理士に依頼できる業務の範囲

顧問契約で税理士に任せられる業務は、大きく3つに分かれます。「税務相談」「税務書類の作成」「税務代理」の3つで、これらは税理士だけに認められた独占業務です。

税務相談は、経費の判断や節税など日々の疑問に答えてもらえるサービスです。税務書類の作成は、確定申告書や決算書などの作成を指します。税務代理は、申告の代行や税務調査の立ち会いなど、本人に代わって税務署とやり取りをする業務です。

このほか、記帳代行や資金調達のサポート、経営相談など、事務所によって対応範囲はさまざまです。契約前に「どこまでやってもらえるのか」を確認しておきましょう。

創業時に顧問契約を結ぶことの意味

創業期は事業の基盤を整える段階です。この時期に正確な会計管理を習慣づけることは、その後の事業成長の土台となります。

多くの起業家は、売上を増やすことに注力するあまり、会計管理を後回しにしてしまいます。しかし、事業の成長に伴って書類や取引記録が増えると、後から整理するのは非常に手間がかかります。創業当初から税理士のサポートを受けていれば、毎月の数字が正確に把握でき、その後の経営判断がしやすくなります。

また、創業時から税理士と関係を築いておくことは、融資や補助金の申請時にも有利に働きます。銀行や行政機関は、税理士が関与している企業の数字をより信頼しやすいからです。

個人事業主の顧問契約にかかる費用相場

個人事業主が税理士と顧問契約を結ぶ際、最も気になるのは「いくらかかるのか」という点でしょう。実際の費用相場を確認しておきましょう。

顧問料の一般的な相場

個人事業主の顧問料は、事業の売上規模によって大きく異なります。売上が少ない創業初期であれば、月額1万円から2万円程度が相場になることが多いです。

売上が増えるにつれて、顧問料も上がっていくのが一般的です。年間売上が500万円以下なら月額1万円程度、500万円から1000万円未満なら月額1万5千円から2万円といった幅があります。

法人と比べると、個人事業主は比較的顧問料が抑えめに設定される傾向があります。これは、法人よりも一般的に事業規模や取引量が少ないためです。

ただし、これはあくまで目安です。税理士事務所によって料金体系は異なります。面談の頻度、提供されるサービスの内容、記帳代行の有無によって、大きく異なることもあります。

確定申告料は顧問料とは別に発生する

個人事業主の場合、毎月の顧問料の他に「確定申告料」が別途発生することがほとんどです。

確定申告料の相場は、年間売上が500万円以下であれば8万円程度、500万円超1000万円以下なら10万円から15万円程度が目安となります。消費税申告がある場合は、さらに5万円から10万円程度の追加費用が発生します。

つまり、月額顧問料1万2千円で年間14万4千円、確定申告料10万円の場合、年間総額は約24万4千円になります。

初回相談時に、月額顧問料だけでなく、確定申告料やオプション費用についても確認しておくことが大切です。

スポット契約という選択肢もある

毎月の顧問契約のほかに、確定申告だけを単発で依頼する「スポット契約」という方法もあります。費用の目安は、売上500万円以下で10万円前後、売上1,000万円程度で15万円前後です。

毎月の相談は不要で、申告だけプロに任せたい人には向いています。ただし、年に1回のやり取りでは節税の提案や経営アドバイスまでは受けられません。事業の状況に合わせて、顧問契約とスポット契約を使い分けるとよいでしょう。


個人事業主が創業時に顧問契約を結ぶメリット

個人事業主として事業を始める際、税務申告や会計管理は避けて通れない課題です。ここでは、個人事業主が創業直後に税理士と顧問契約を結ぶことで得られる、実践的で専門的なメリットを説明します。

家事按分による実質的な節税戦略の構築

自宅を事務所としている個人事業主にとって、「家事按分」は最も重要な節税テクニックの一つです。家賃や水道光熱費、インターネット料金など、プライベートと事業の両方で使う費用を、事業で使用した割合に応じて経費計上することができます。

しかし、この家事按分は「どこまで経費として認められるのか」という判断が難しいのが実情です。例えば、月10万円の家賃で1日8時間を事業に充てている場合、約3万3千円を経費化できます。ただし、根拠が不十分だと税務署から指摘されるリスクもあります。

税理士がいれば、青色申告と白色申告の違いを踏まえた上で、「面積按分法」と「時間按分法」の最適な選択を提案してくれます。青色申告では、合理的根拠があれば50%以下の按分比率でも経費計上が可能という、より有利な判定基準が適用されます。結果として、自分で判断するより数万円多く経費計上でき、その分の納税額が削減されます。

消費税の免税期間を最大限に活用できる

個人事業主が消費税の申告義務を負うのは、通常、開業から2年目以降の売上が1000万円を超えた場合です。つまり、創業当初は「消費税免税事業者」として、消費税を納める必要がない可能性があります。

ただし、この免税期間を最大限に活用するには、税務処理が重要です。特に、消費税申告の判定基準となる「特定期間」の売上見積もりを誤ると、予定外に消費税申告義務が生じることもあります。

税理士がいれば、消費税申告義務の判定や免税期間の活用方法について、正確なアドバイスを受けられます。

また、2023年10月に始まったインボイス制度も、免税事業者の判断を難しくしています。取引先との関係でインボイス登録をするかどうか、登録した場合の負担軽減措置をどう使うかは、個人での判断が難しいポイントです。税理士に相談すれば、自分の取引状況に合った選択ができます。

節税対策を創業段階から組み立てられる

個人事業主には、法人にはない複数の節税制度があります。例えば、所得控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除など)、青色申告特別控除(最大65万円)、小規模企業共済など、知識がないと見逃してしまう制度が数多くあります。

税理士と最初から関係を持つことで、創業段階からこうした節税機会を活用できます。結果として、毎年数万円から数十万円の節税効果が期待できます。

経営成績を毎月把握でき、事業判断がしやすくなる

顧問契約があれば、税理士から毎月の試算表(月次決算報告)を受け取ることができます。これにより、「この月の売上はいくらだったか」「経費はどのくらい使ったか」「利益率はどうか」が数字で一目瞭然になります。

これらの情報があれば、事業の軌道修正が早期に可能になります。例えば、営業方法を変えた月の売上がどう変わったか、経費削減の効果が出ているか、といった経営判断が的確にできるようになるのです。

税務調査が入っても立ち会いを任せられる

個人事業主にも税務調査は行われます。調査では帳簿や領収書をもとに、調査官から細かい質問を受けることになります。

顧問税理士がいれば、調査の立ち会いや調査官とのやり取りを任せられます。日頃から帳簿を見てもらっているため、指摘されやすいポイントも事前に整えることが可能です。

申告ミスによる追徴課税のリスクを減らせるのは、大きな安心材料といえるでしょう。

個人事業主が顧問契約を結ぶデメリット

メリットがある一方で、顧問契約にはデメリットもあります。契約を検討する際には、正直に向き合っておく必要があります。

毎月固定の費用がかかる

顧問契約の最大のデメリットは、毎月継続的に費用がかかることです。創業初期で売上がまだ不安定な時期、この固定費を負担できるかどうかが課題になります。

月額1万円から2万円だとしても、年間で12万円から24万円の支出になります。加えて確定申告料が別途10万円前後必要なため、年間総額は20万円から35万円程度になります。

自分で帳簿をつけることができれば、この費用を大幅に削減できるのではないかと考える起業家も多いでしょう。

売上が少ない時期は、費用対効果が悪い可能性がある

創業直後で売上が月数万円程度の時期に、毎月1万円以上の顧問料を支払うのは、費用対効果の面で割が合わないと感じることもあります。

「売上が安定するまでは自分で対応して、売上が増えたら税理士と契約する」という選択肢もあります。ただし、この判断にはリスクがあります。

簡単な帳簿なら自分で対応可能な場合もある

創業直後で取引先の数が少なく、取引内容がシンプルであれば、クラウド会計ソフトなどを使って自分で帳簿をつけることは十分可能です。会計ソフトの使い方が分かれば、毎月の記帳は思いのほか簡単です。

「とにかく費用を抑えたい」という時期であれば、まずは自分で帳簿をつけてみるというのも選択肢の一つといえるでしょう。

ただし、この選択は長期的には割高につく可能性があります。事業が成長し、取引が増えていくにつれて、自分で管理していた帳簿の修正や整理に膨大な時間を費やすことになるからです。また、帳簿のミスに気づかないまま確定申告してしまい、後から税務署から指摘されるリスクもあります。結果として、本業に使える時間が失われ、事業成長の機会を逃してしまうこともあります。

税理士の質がサービスの満足度を左右する

どの税理士と契約するかによって、サポートの質は大きく異なります。単に書類を作成するだけの税理士もいれば、経営アドバイスまでしっかり行う税理士もいます。

費用だけで税理士を選ぶと、実は自分の期待するサービスを受けられないということもあります。事前に、その税理士がどのようなサポートを行うのかをしっかり確認する必要があります。

個人事業主が顧問契約を結ぶか結ばないかの判断基準

個人事業主にとって、顧問契約を結ぶべきかどうかは、事業の状況によって判断が大きく異なります。自分の状況に照らし合わせて、契約の必要性を検討してみましょう。

顧問契約の締結がおすすめの個人事業主

青色申告で事業を管理したいと考えている個人事業主は、ぜひ顧問契約を結ぶことをお勧めします。青色申告は複雑な帳簿記帳が必要で、専門知識なしに正確に行うのは難しいからです。

また、創業融資を受ける予定がある個人事業主も、顧問契約がお勧めです。融資の申請から返済までの間、正確な財務データと専門的なアドバイスが事業運営をサポートします。

売上が1000万円を超えて消費税申告義務が生じる見込みの場合も、税理士のサポートが重要です。消費税申告は一般的な所得税申告より複雑で、計算を誤るとペナルティが発生するリスクがあります。

顧問契約の締結が不要かもしれない個人事業主

取引先が少なく、事業内容がシンプルで、売上も限定的な場合は、クラウド会計ソフトを使って自分で帳簿をつけることは十分可能です。

ただし、覚えておくべき点があります。事業が成長するにつれて、帳簿管理の複雑さは急速に高まります。多くの個人事業主は、売上が増えた後に「もっと早く税理士と契約しておけばよかった」と感じています。

事業拡大の際に、過去の帳簿をさかのぼって修正するのは膨大な時間がかかります。経営に余裕が出てきたら、税理士への相談を検討することをお勧めします。

良い税理士を選ぶポイント

創業時に顧問契約を結ぶなら、パートナーとなる税理士選びはとても重要です。失敗しないためのポイントを紹介します。

レスポンスが早く相談しやすいかどうか

長期的なパートナーシップを築くには、相談しやすい雰囲気かどうかが重要です。質問に対して、専門用語ばかりで説明されると、理解が難しくなります。

複雑な税務知識を、経営者にも分かるような言葉で説明できる税理士を選びましょう。

また、困った時にすぐに相談できるか、メールや電話への返信が早いか、といった点も大切です。経営課題は予告なく発生することが多いため、レスポンスが遅い税理士だと、対応が後手に回ってしまいます。

創業支援の実績が豊富かどうか

創業企業と既存企業では、直面する課題が異なります。創業支援の経験が豊富な税理士であれば、起業家特有の悩みをよく理解しており、実践的なアドバイスができます。

初回相談の時点で「創業企業のサポート経験は何件くらいあるか」「創業時に具体的にどのようなサポートをするか」を聞いてみるといいでしょう。

具体的な事例を踏まえて説明してくれる税理士であれば、信頼できる可能性が高いです。

経営支援が得意かどうか

単に申告書を作成するだけではなく、毎月の経営数字を分析し、経営課題の解決をサポートする姿勢を持っているかどうかが重要です。

「毎月の試算表をどのように活用してもらえるのか」「経営判断をどのようにサポートしてもらえるのか」といった質問をして、その税理士の姿勢を確認しましょう。

漠然とした答えしか返ってこなければ、経営支援に力を入れていない可能性があります。

料金体系と契約内容が明確かどうか

初回面談の時点で、料金の内訳をはっきり説明してくれるかも重要なポイントです。顧問料に記帳代行は含まれるのか、確定申告料はいくらか、訪問回数はどうなっているのかを確認しましょう。

契約後に「追加料金が発生した」というトラブルは少なくありません。解約の条件まで含めて、契約前に書面で確認できる税理士なら安心です。

地方の産業事情に詳しければベスト!

事業を営む地域の産業構造を理解している税理士を選ぶことが大切です。地域によって、産業の特性、融資を受ける際の銀行の考え方、資金繰りのパターンなどが大きく異なるからです。

こうした地域固有の事情を理解している税理士であれば、より現実的で有効なアドバイスができます。

例えば、福井県敦賀市の場合、原子力関連施設やエネルギー産業、敦賀港を活用した物流業などが地域経済を支える重要な産業です。こうした地域の産業構造を理解している税理士がいれば、これらの業種に適した税務処理や資金繰り対策を提案できます。

小出税理士事務所は福井県敦賀市に拠点があり、敦賀市の産業事情に特に詳しい事務所です。公共事業や原子力関連の契約に影響される業種、季節変動のある事業など、地域固有の経営課題に対しても、的確なサポートが期待できます。

地元ネットワークを活かした支援も利点の一つです。敦賀市内で事業を営むなら、地域の実情に精通した税理士のパートナーシップが、経営の安定と成長につながります。

まとめ

創業時に税理士と顧問契約を結ぶべきかどうかは、企業の状況によって異なります。

融資を受ける予定があれば、ぜひ顧問契約を結ぶことをお勧めします。従業員を雇用する予定があれば、給与計算などのサポートが必要になるため、やはり顧問契約が有効です。

一方で、取引先が少なく、しばらくは個人事業主として小規模に運営する予定であれば、当面は自分で帳簿をつけるという選択も検討できます。

ただし、事業が成長するにつれて、正確な会計管理の重要性は増していきます。多くの起業家は、事業が軌道に乗った後で「もっと早く税理士と契約しておけばよかった」と感じています。




福井県敦賀市で創業時の顧問契約なら、小出税理士事務所へ

創業期の経営は、予想外の課題の連続です。資金繰りが思ったより厳しかったり、取引先からの要望が予測と異なったり、スタッフの採用がうまくいかなかったり。こうした様々な課題に対応する際、正確な会計データがあると、判断がしやすくなります。

小出税理士事務所では、金沢国税局での長年の実務経験を活かし、創業企業の皆様に合わせた会計・税務体制をご提案いたします。

「創業融資の申請をサポートしてもらいたい」「毎月の経営数字を正確に把握したい」「将来の税務調査に備えた体制を作りたい」といったご要望をお持ちの起業家様は、ぜひ小出税理士事務所にご相談ください。

初回相談は無料です。複雑な会計や税務の仕組みについても、わかりやすくご説明いたします。

敦賀市のご企業の成長を支援させていただくため、税務の専門家として丁寧にサポートさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。


----------------------------------------------------------------------

小出規峰税理士事務所

住所:福井県敦賀市 古田刈68-103-1

電話番号:0770-37-1116

----------------------------------------------------------------------